近年、多くの企業がオフィスワークに戻る中、ビデオ会議ツールとして知られるZoomはどうなっているのでしょうか?
一部の人々は、リモートワークの需要が減少しているため、Zoomが衰退していると考えるかもしれません。しかし実際、Zoomは新たな進化を遂げようとしています。
ここでは、Zoomの現在の状況とその進化の方向性について、特に新たに就任したCMO(最高マーケティング責任者)のKimberly Storin氏の役割も踏まえながら、詳しくお伝えします。
Zoom Hires Kimberly Storin as CMOThe exec succeeds Janine Pelosi, who left in 2023
Zoomは今も成長を続けている
まず、Zoomの財務報告を見てみましょう。
2025年1月31日終了の会計年度で、Zoomの総収益は46億ドルに達し、前年比3.1%増加しています。
米国のほうがオフィス回帰の流れが早かったため、この数字は、従業員がオフィスに戻る中でも、Zoomが依然として成長を続けていることを示しています。つまり、リモートワークの需要が変化しても、Zoomはそのビジネスモデルを適応させ、収益を伸ばしているのです。
この成長の背景には、Zoomが単なるビデオ会議ツールを超えて、企業や個人の多様なニーズに応えるプラットフォームへと進化していることがあります。
2025年4月16日には一時的なサービス障害が発生しましたが、迅速に復旧し、信頼性を維持しています(Reuters)。
こうした対応力も、Zoomが市場で支持される理由の一つです。
reuters.com
AIを活用した新たな進化を遂げそう
では、Zoomはどのように進化を遂げているのでしょうか?その答えは、AI(人工知能)の活用にあります。
Zoomは、2025年に「AIファーストの会社」への転換を目指しており、その象徴的な製品が「Zoom AI Companion」です。

このツールは、会議の要点を自動的にまとめたり、チャットのトーンを調整したり、ユーザーの生産性を向上させるためのさまざまな機能を提供します。
例えば、Zoom AI Companionの「チャット作成」機能では、「簡単な感謝のメモを書く」といったプロンプトを使って、適切なメッセージを素早く作成できます。
また、Zoom Workplaceでは、ワークフローの自動化が強化されており、週次のチェックインや質問への回答、通知の送信などを自動化する機能が追加されています。
これにより、チームのコラボレーションがより効率的になります。
さらに、ZoomはMitelとのハイブリッドソリューションを展開し、電話機能をZoomアプリに統合することで、AI Companionや会議、チームチャット、ドキュメントを一元的に利用できる環境を提供しています。
これらの取り組みは、Zoomを単なるビデオ会議ツールから、AIを活用した包括的なコラボレーション・プラットフォームへと進化させるものです!
ZOOM新CMOに就任したKimberly Storin氏に託された役割
このような変革の時期に、Zoomは新しいCMOとしてKimberly Storin氏を迎え入れました。
Storin氏は、Zayo Group(通信インフラ)やRapidDeploy(救助などのインフラ)、IBM、AMD、Dellなどでマーケティングのリーダーシップを発揮してきました。

経歴半端ないな!
ZOOMはそんなマーケティング経験豊富な彼女に、AIを活用したZoomの未来を語る重要な役割を託したといえるでしょう。
Storin氏の経歴は、彼女がZoomの新たな挑戦に最適な人物であることを示しています。
Zayo Groupでは、グローバルマーケティングとブランド戦略を主導し、企業の変革を成功させました。また、IBM Cognitive SystemsのCMOとして、収益目標を100%以上達成し、7四半期連続の成長に貢献しました。
こうした実績は、ZoomがAIファーストのブランドとして市場での地位を強化する上で、大きな力となることが予想されます。
Storin氏自身も、Zoomの長年のユーザーであり、その可能性を深く理解しています。彼女はLinkedInで次のように述べています。
「この役割に就くずっと前から、私はビジネスでもプライベートでもZoomの熱心な顧客でした。重要な企業会議から大規模な全社集会、SKO(販売キックオフ)まで、友人や家族とつながるためにZoomを信頼してきました。私は直接目にしてきました。Zoomがどのように人々の働き方、協力の仕方、コミュニケーションの仕方を変えているか。」
「今、AIが安全で信頼できるプラットフォームの中心にある中で、Zoomはビデオを超えた形でつながりの未来を形成しています。素晴らしいチームと共に、そのストーリーを語る手助けをし、成長とイノベーションの次の章を解き放つことにワクワクしています。」
Storin氏の加入は、ZoomがAIを活用した新たな成長戦略を推進する上で重要なステップです。
彼女の過去の経験とZoomへの情熱は、ブランドの未来を形成する上で大きな影響を与えると期待されます。
なぜZoomは衰退しないのか
ここで重要なポイントを押さえておきましょう。
リモートワークの需要が変化しても、Zoomは衰退するのではなく、新たな価値を提供し続けることで成長を続けています。
AIの活用により、Zoomは単にビデオ会議のツールとしてではなく、ワークスタイル全体を変革するプラットフォームとして進化しています。
例えば、会議の自動要約や、チームのコミュニケーションを効率化する機能は、リモートワークだけでなく、ハイブリットワーク環境でも非常に有用です。つまり、働き方がどう変わろうとも、Zoomはそのニーズに応えることができるのです。
また、Zoomは顧客とのエンゲージメントを強化するために、グローバルなイベントも開催しています。
例えば、2024年10月10日には、日本向けの「Zoomtopia Japan」が開催され、最新の機能や戦略が紹介されました。こうした取り組みは、Zoomが日本の市場にも積極的に関与していることを示しています。
バーチャルイベント「Zoomtopia Japan Virtual 2024」開催のお知らせZVC JAPAN 株式会社のプレスリリース(2024年9月20日 13時00分)バーチャルイベント「Zoomtopia Japan Virtual 2024」開催のお知らせ
日本のビジネスパーソンにとってのZoom
日本においても、Zoomは多くの企業や個人で広く利用されています。
特に、AIの活用が進む中で、Zoomが提供する新機能は、日本のビジネスシーンにおいても大きな価値を提供するでしょう。例えば、会議の効率化や、チーム間のコミュニケーションの改善は、どの業界においても重要な課題です。ZoomがAIを活用してこれらの課題を解決する取り組みは、日本のビジネスパーソンにとっても注目すべき点です。

日本でももはや議事録を取る文化は激減しているもんね…。
特に20代のビジネスパーソンにとって、Zoomの進化は働き方の未来を考える上で重要なヒントを与えてくれます。
AIによる自動化機能は、忙しい日常での時間節約や、チーム連携の強化に直結します。
また、Zoomのプラットフォームは、グローバルなコラボレーションを容易にし、キャリアの可能性を広げるツールとしても活用できます。
結論:Zoomは進化を続ける
リモートワークの需要が変化する中で、Zoomが衰退していると考えるのは早計です。
実際、ZoomはAIを活用した新たな進化を遂げ、ビジネスの未来を形作る存在になろうとしています。新CMOのKimberly Storin氏が率いるマーケティング戦略も、その進化を加速させるでしょう。
日本人のわれわれにとっても、Zoomの新たな取り組みは、今後の働き方を考える上で重要なヒントを与えてくれるはずです。
Zoomは、単なるビデオ会議ツールではなく、AIを活用したコラボレーションの未来を切り開くプラットフォームとして、これからも成長を続けると私は結論づけます!