パンデミック以降、多くの企業がリモートワークを取り入れてきましたが、最近ではオフィス回帰の流れが強まっています。
2025年4月、なんと大手外資コンサル会社のアクセンチュアが日本でリモートワークの廃止を発表し、フルタイムの出社体制への復帰を打ち出しました。

この変化には、賛否両論ありますが特にリモートワーク環境で苦戦していた方々にとって、自分の能力を発揮する新たなチャンスとなるかもしれません。
リモートワークで苦労したビジネスパーソンが、出社後に輝くためには、環境の変化をポジティブに捉え、関係性を再構築し、ルーチンを出社用に最適化することが重要です。
環境の変化をポジティブな機会として捉える
オフィス復帰は単なる場所の変化ではなく、新たなスタートを切るチャンスでもあります。
スタンフォード大学やONSの研究によると、米国では2020年6月時点で労働力の42%が在宅勤務をしており、ロンドンでは46%の従業員が2020年に在宅勤務を経験しています。
すでに出社回帰している企業も多いですが、改めてオフィス復帰にあたっては自分自身と同僚に対して思いやりを持つことが大切です。特にリモート出社時に経験した変化やポジティブさ、逆に喪失を認め、自分と他者に共感する姿勢を持ちましょう。
何度も言いますが、オフィスに戻ることは、新しいスタートのチャンスです。
人間関係を再構築する
リモートワーク期間中、私たちはZoomでの短いやり取りや文字ベースのコミュニケーションに慣れてしまいました。しかし、対面になった引き続きZoomやテキストベースのコミュニケーションを続けているのは愚の骨頂。
オフィス環境に戻った今こそ、対面での関係構築に力を入れるべき時です。
リモートワーク中のつながりを再び築くために、同僚と意識的に関わりましょう。カジュアルな会話やコーヒーブレイクの時間を確保し、信頼を再構築します。
実はコロナ禍では、私たちは互いの家庭環境を垣間見る機会がありました。Zoom越しに子供やペットが登場するなど、同僚の人間性を知ることができました。
この「共有された人間性」の感覚をオフィスでも大切にするべきです。
また、同僚との交流を計画的に行うことも効果的です。
例えば、10時30分の締め切りの後に11時のコーヒータイム(よもやま話をできる時間)をあえてスケジュールするなど、生産性を保ちながら人間関係を深める時間を確保することができます。
ワークスペースとルーチンを最適化する
オフィス環境での快適さは生産性に直結します。自分のデスク周りを居心地よくするための工夫をしましょう。
オフィススペースを快適にするために、問題がなければ私物はどんどん持ち込むべきだと私は思います。
サンフランシスコのPR専門家カートニーは、2年間のリモートワーク後にオフィスに戻った際、快適さを確保するためにブランケットとノイズキャンセリングヘッドフォンを持参しました。また、ITサポートにデュアルモニターや電話ヘッドセットをリクエストすることで、自宅と同等の効率性を維持することができました。
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朝のルーチンも重要です。
リモートワーク時代にはギリギリまで寝て、Zoomに飛び乗る習慣がついてしまった方も多いでしょう。TED二登場したオライリー博士は、リモートワーク中の突然の変化やルーチンの喪失がストレスを引き起こすと指摘しており、現在のルーチンと必要となるルーチンの橋渡しをするよう勧めています。
起床時間を決め、必要なサポートを考慮し、現在のスケジュールに少しずつ新しいルーチンの要素を組み込むことで、無理なく適応することができます。
コミュニケーションと境界を明確にする&リモート時代の教訓を活かす
リモートワークでは仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。オフィス復帰は、健全な境界を再設定する絶好の機会となります。
しかし、リモートワーク時代のことをすべて悪い慣習と捉えるべきではありません。
特にリモートワーク時代には「時間効率」に関する取り組みが最適化された機関でもありました。
リモートで20人のチームを3年間管理したあるテクノロジー企業の幹部は、オフィス環境に戻った際も時間管理の境界を維持しました。彼のチームは、朝のアドホックミーティングを5分以内に制限し、効率を保っています。また、リモート環境で学んだことを活かし、オフィスでも毎日の目標、スケジュール、タスクを詳細に文書化することで生産性を高め、チームに自分の行動を知らせるようにしています。これにより、透明性が生まれ、リモート時代以上にチーム内の信頼関係が構築されます。
メンタルヘルスを優先する
オフィス復帰は多くの人にとってストレスとなりうる変化です。心の健康を意識的にケアしましょう。
オフィス復帰による不安を認め、計画的に対応しましょう。復帰日を決め、上司と心配事を共有し、必要なら同僚や専門家からのサポートを求めます。運動や瞑想などのセルフケアを続け、集中力を保ちましょう。
先程も登場したオライリー博士によれば、漠然とした不安は特定の心配事よりも悪影響を与えるため、復帰日を固定することで不安を具体化し、心の準備をすることができます。また、パンデミック中にメンタルヘルスへの注目が高まり、スティグマが減ったことは、今後のメンタルヘルスケアにとって良い変化です。
リモート経験から学び、強みを活かす
リモートワークでの経験は、オフィス環境でも活かせる貴重な学びです。自分の課題と強みを分析し、新たな環境で最大限に発揮しましょう。
リモートワークで苦労した点を振り返り、オフィスでどう改善するか考えましょう。例えば、集中力が課題なら、カレンダーやタスクリストを活用。リモートで培った自立性や問題解決力をオフィスでアピールし、自信をつけましょう。
これらの戦略を組み合わせることで、オフィス環境を最大限に活用し、成果を上げることができます。アクセンチュアのようなグローバル企業が出社回帰を進める中、この変化をキャリアにおける新たなチャンスとして捉え、積極的に適応していきましょう。
オフィス環境だからこそできる対面コミュニケーションの深さ、チームワークの醍醐味、そして即時フィードバックの利点を活かせば、リモートでは難しかった成果も出せるはずです!